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赤穂初の女性樹木医が誕生

2016年01月30日

  • 赤穂市で女性初の樹木医に合格した寺岡里江子さん。幹をノックした音で内部の状態を推し量るのに木槌を使う

    赤穂市で女性初の樹木医に合格した寺岡里江子さん。幹をノックした音で内部の状態を推し量るのに木槌を使う

 城西町の造園業社員、寺岡里江子さん(34)が樹木医資格審査に合格。このほど認定証を授与された。日本樹木医会兵庫県支部によると、赤穂市内で2人目で女性では初めて。寺岡さんは「経験を積んで早く一人前になりたい」と意気込んでいる。
 樹木医の資格審査制度は、病虫害や環境悪化などから樹木を守る専門家の養成を目的に平成3年度に創設された。筆記と研修、面接による選抜試験は年1回あり、平成26年度までに全国で2443人が認定。27年度試験は504人が受験し、合格率は24%で122人が25期生として認定された。
 寺岡さんは神戸大学発達科学部で環境緑化論を専攻。卒業後は兵庫県立淡路景観園芸学校で公園整備を2年間実習し、父の一義さん(74)が営む実家の造園会社に就職した。
 しかし、4年前に現場代理人を任された赤穂城跡二ノ丸の整備事業で、「今の自分の知識と経験では、まったく役に立たない」と痛感。その現場を監修していた京都造形芸術大学の尼崎博正教授の勧めで同大の通信制大学院で学び、造園施工管理技士1級を取得した。樹木医を目指したのも、「もっと現場の仕事を任されるようになりたい」との思いからだ。
 鳥越茂支部長(71)は「やる気のある若い世代が入ってくれることは喜ばしい。樹木医の仕事は経験がすべてなので、できるだけ多く現場を踏んでほしい」とエールを送る。寺岡さんも支部が開く実務研修会で先輩のノウハウを積極的に吸収するつもりだ。
 子どものころ、父が施工した公園を見て「地図に残る仕事や」と誇らしげに感じた気持ちが、この仕事を選んだ原点だと振り返る寺岡さん。「治療よりも、弱らないようにするための予防に取り組みたい」と女性ならではの感性と包容力で樹木にやさしく接するつもりで、「緑を守り育てていくことの大切さを広める活動にも関わっていきたい」と抱負を話している。


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掲載紙面(PDF):

2016年1月30日(2171号)1面 (12,032,320byte)


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