赤穂民報

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お城通りの版画美術館 7日から「さよなら展」

2008年09月06日

  • 3年間開いた「たでのはな美術館」の区切りに自選展を催す佐野正幸さん

    3年間開いた「たでのはな美術館」の区切りに自選展を催す佐野正幸さん

 全国的にも珍しい版画専門の私設美術館として、元塩町の版画家・佐野正幸さん(68)が加里屋お城通りに3年前オープンした「たでのはな美術館」が今月15日で閉館することになった。あす7日(日)から「さよなら展」として佐野さんの自選展を開く。
 地方にこそ本物を―。空き店舗を自費で借り、平成17年10月に開館。自身の版画創作の参考に購入した棟方志功、平塚運一ら一流作家らの作品を次々と公開した。3年間で開催した企画展は15回を数え、展示した作品総数は75作家約550点に及ぶ。
 「赤穂にこんなスポットがあるとは」と県外の版画ファンからも根強い人気を集めた。「素直な感性を持っている子どものうちに良いものに接してほしい」と小学生以下は無料。「じっくりと版画の魅力を味わうスペース」を提供してきたが、入館者数は思うように伸びなかった。周囲からは「こうした美術館が存在することが赤穂にとって意義がある」と慰留されたが、今月末でテナント契約が終了することもあり、館を閉じることにした。
 国内外の展覧会に出品するなど自身も版画家として多くの作品を手がけている佐野さん。来館者から「館主の作品を見たい」と言われるたびに「閉館のときには自選展を開きます」と答えてきた。「さよなら展」はその約束を守り、姫路城や忠臣蔵など特に愛着のある作品20数点を展示する。
 佐野さんは「版画というマイナーな美術分野を一人でも多くの人に知らせるという役割は果たせた。協力してくれた方々に感謝したい」と思いをかみしめつつ、最後の展示準備を進めている。
 「さよなら展」は入館無料で15日(月・祝)まで。午前10時〜午後5時。問合せはTel090・3496・4282


文化・歴史 ]

関連サイト:

■たでのはな美術館

掲載紙面(PDF):

2008年9月6日(1811号)1面 (7,363,109byte)


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