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「坂越の船祭」に赤穂高雅楽部が初参加

 2012年10月13日 
国重要無形民俗文化財「坂越の船祭」の出演へ向けて稽古に励む赤穂高雅楽部。手前に折り畳んであるのが本番で着用する装束
 “雅楽の祖”とされる秦河勝をまつる坂越・大避神社の例祭で、今年3月に国の重要無形民俗文化財に指定された「坂越の船祭」に赤穂高校の伝統芸能研究会雅楽部が初めて参加する。
 10月14日(日)の本宮で雅楽団体の会員に交じって管楽器の「龍笛」を演奏。近年は途絶えていた雅楽演奏を復活させる。生浪島堯宮司(69)は「文化財指定の年に復活する伝統に地元の若い人たちが加わることは大変喜ばしい」と期待を寄せている。
 「坂越の船祭」は、木造和船が隊列を組み、御旅所がある生島へ坂越湾内を巡航する「船渡御」が特徴。楽人を乗せた楽船が伴い、「バタ掛け」や「宮入り」など場面ごとに決められた楽曲を笙や篳篥、太鼓などで奏でる。
 赤穂市教委の調査によると、同祭での雅楽演奏記録としては、延享2年(1745)の古文書に「音楽奏加」と記されているのが初出で、その4年後に天王寺方楽家から坂越の住人へ雅楽演奏の認可状が与えられた。
 明治3年までは許可なく演奏することはできず、戦後間もないころまでは地元の人が演奏。その後は相生から楽人を招いた時期もあったが、楽船復元などの節目に演奏家を招いた年を除き、ここ30年以上は楽人の乗船なしでの巡航が続いていた。
 同部は創部2年目。千年を超える歴史を有する雅楽団体「南都楽所(なんとがくそ)」の楽師補でもある永井信行教諭(42)が昨春同校に着任し、全国的にも珍しい雅楽部が誕生した。現在の部員数は2年生3人と小所帯だが、永井教諭の厳しい指導の下、基本を忠実に守った稽古を積んでいる。今年5月に同神社で社宝の舞楽面を見学したのをきっかけに例祭への参加が決定。8月上旬には奈良の春日大社で4泊5日の合宿を行い、南都楽所の楽人との合奏も経験した。
 当日は烏帽子に緑色の直垂を着用。南都楽所で研さんを積んだ雅楽伝承団体「三和会(さんわかい)」の会員7人とともに午後0時半ごろから拝殿、仁王門前などで奏楽。3時20分ごろから県有形文化財の楽船に乗り込み、巡航中も楽曲を奏でる。
 実は人前で演奏を披露するのは今回が初めて。部長の葛島星(あかり)さん(16)は「参加させてもらえることを誇りに思い、一生懸命気持ちを込めて演奏したい」と部員を代表して意気込みを話した。
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掲載紙面(PDF):
2012年10月13日(2009号) 1面 (7,354,688byte)
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