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就任2年 牟礼正稔市長に聞く

 2021年02月05日 
任期を折り返し、今後の市政展望について取材に答える牟礼正稔市長
 就任から丸2年となった牟礼正稔市長が赤穂民報の単独インタビューに応じた。任期の折り返しとなる中、これまでの市政運営の振り返りと今後の展望について話を聞いた。
 * * *
―職員が収賄容疑で逮捕された。汚職にからむ逮捕者は市長就任後3人目だ
 「市民の皆様には、心より深く深くお詫びを申し上げる。全庁あげて再発防止に取り組んでいる最中に起こったことは、より残念で本当に断腸の思い。事実関係がはっきりした時点で本人はもちろん、私もそれなりの処分をする」

―再発防止への取り組みは
 「今回の事態を踏まえ、綱紀粛正と職務規律の確保をもう一度徹底する。改めて全体の奉仕者としてのあり方を職員に訴えていきたい。今回の問題は、個人の資質と事務処理体制がしっかりしていなかったことが犯罪を誘発してしまったのではないかと考えている。私生活での悩みや問題も含めて、引き続き職員にヒアリングを行い、職務執行マニュアルに基づいた研修を課長職も含めて実施する。職員が閉鎖的にならないように執務環境を整え、仕事の『見える化』にも取り組みたい。警察から書類が戻ってきた段階で、今回の不正を検証する」

―選挙で公約した施策の進捗状況と実現への課題、見通しを。まずは、「市民に安心な医療体制(市民病院の専門医確保等)」から
 「院長と協力して取り組んできた。今年4月に呼吸器科内科の専門医を確保できる目処が立っている。あとは産科。従来は関西圏と岡山県の大学病院にお願いしてきた医師の派遣を全国的に視野を広げてやっていきたい。菅政権が少子化対策ということで不妊治療を進めているので、産科をすぐに復活するのは難しいかもしれないが、不妊治療に力を入れたい」

―報酬をアップすれば医師が来るということでもない?
 「民間病院であれば、そういうことができるかも知れないが、赤穂市民病院は公立病院なので難しい。他の診療科では、研究講座方式で大学に研究費を渡して医師を派遣してもらうという方式はあるが、産科医自体が非常に少ない状況で難しい。幸いなことに中央病院さんが産科をされているので、市民病院と中央病院とが連携して産科を担って行くことを当面の間続けざるを得ない」

―市民病院の慢性的な財政問題を解消するための対策や方針はあるか
 「一般財源からある程度繰り出しする必要はあるが、市に財政的に余裕があるわけではないので、今後とも経営改善に向けて経費節減と集患に努めて収入増を図っていきたい」

―「コミュニティバスの増設・新設」について
 「昨年1月に全ルートを週3便に増便した。今後は需要を踏まえてバス停の増設、変更などをやっていく。路線の新設については、路線バスとの競合路線については難しい。路線バスのルート変更などによって高齢者や交通弱者の足の確保に引き続き努めていきたい」

―「障がい者雇用の支援」は
 「市内障がい者福祉施設の授産品の販売会を市役所1階ロビーで毎週水曜日(緊急事態宣言期間中は中止)に実施している。コロナ禍だが、できるだけ引き続き支援していきたい。草抜きなど市の委託業務を福祉施設にお願いできないか検討している」

―「子育て支援の充実(学校給食無償化等)」について
 「2019年4月から第3子以降の給食費無償化を実施している。ふるさと納税の増額分を活用して対象の拡大を図りたいが、コロナ禍による税収減少を見極めた上でとなる。財源が許せば、自転車一人用チャイルドシート補助、あしたば園への作業療法士の配置などにも取り組みたい。待機児童の解消については、幼稚園と保育所の正規職員採用を進めて保育枠を拡充する。それでも解消できなければ認定こども園を視野に来年度にも検討に入る」

―「産業基盤の整備・産業誘致、地元産業の活性化」は進んでいるか
 「赤穂インター周辺の産業基盤については調査検討から、どのように具体化を図っていくかに進みたい。産業誘致は工場設置奨励金のハードルを下げて、中小企業も含めて企業誘致、設備投資を促していきたい」

―「農業、漁業の振興」の取り組みは
 「昨年度2人の若手新規就農者があった。特産品としてふるさと納税の返礼品に活用することで、赤穂市の収入増、生産者にとっては販売先を広げ、お互いウィンウィンでやっていこうと。漁業については、坂越に牡蠣を目当てに訪れる人の駐車場対策を進めたい。牡蠣を買いに来た人がさっと購入できて、食事もできて、別の観光スポットにも行けて、また次も来たくなる、来やすいというようにしていきたい。せっかくお客様が来られているのに逃がしているという現状がある」

―「交流人口の増加による観光振興」は
 「忠臣蔵、2つの日本遺産を核に観光振興を進めたい。現状は赤穂市、観光協会、商工会議所の3つの組織がそれぞれ取り組んでいる観光振興事業をDMO(観光地域づくり法人)に一本化する。例えば、宍粟市と連携して山と海を活かした観光振興を考えている。DMOなら行政よりも小回りがきく。観光から定住や移住にもつながる可能性を見据えて進める」

―「区画整理事業の早期完成」について
 「浜市については、ほぼ完成し、後は保留地の販売が若干残っている。野中・砂子については、JR側の同意が得られ、今年度中に都市計画決定する予定。有年は引き続き国道2号バイパス化の予算確保を含めてやっていく」

―「男女共同参画の推進(女性活躍の場づくり)」について
 「昨年4月に女性消防士を1人採用した。今後も女性にとっても働きやすい職場づくりを進めていく。市の審議会、委員会でも女性の割合を増やしている。もっと女性が活躍する場を増やしていこうという意識は市全体でもっている」

―「南海トラフ地震対策等安全安心なまちづくり」について
 「地域防災計画を昨年3月に改定した。赤穂市になかった受援計画も作った。ハザードマップも最新の想定を踏まえた改訂版が3月末までにできる。高潮の堤防は御崎、坂越地区などで県と協調しながら対策を進める」

―「産廃処分場建設計画に反対」について
 「福浦については産業用地としての活用を申し入れている。いろんなアイデアがあるが、例えば、キャンプ場などアウトドアの拠点にできないか。事業者も産廃計画を断念したわけではないが、協議に応じてくれている。西有年は阻止に向けて事前協議書の回答をしていく。複数の専門家に意見を聴いている。上郡町の動向も踏まえ、しかるべくタイミングで回答する。市民にも回答内容についてきちんと説明する必要がある」

―「清らかな千種川水系を守ります!」について
 「水道水源保護条例を策定した。赤穂市の飲料水の水源が千種川であるのは間違いない。川を流れている水に加え、地下を流れる伏流水も守っていく」

―「千種川水系のトップリーダーを務めます」について
 「上郡町、宍粟市と話をしている。佐用町とはまだ機会がないが、千種川上流部の自治体と仲良くしていきたい」

―市長就任後に見つかった新たに取り組むべき重点施策は
 「学校給食センターの建て替え。建設から50年が経過し、改修では維持が困難になっている。都市計画で住居専用地域となっており、土地区画整理地内での建て替えが困難。今の敷地で建て替えるとすれば、その間給食を停止することになるため現実的に難しい。したがって、別の場所で新たな用地を確保して、整備計画を策定していくことになる。また、ごみ焼却施設の今後については1月、庁内にプロジェクトチームを立ち上げた。広域連携、公民連携、単独整備などといった検討を行い、今年度内に中間報告を取りまとめる」

―選挙公報では「国、県とのパイプのフル活用」と記載があった。この2年間で実際に「パイプ」を活用したケース、それによって得られた成果はあるか
 「知事、副知事も含めていろんなつながりはあるが、パイプを使わなければならないようなことは今のところない」

―産廃や高取峠トンネなど「パイプ」を使って話をつけてほしいと期待する市民もあるのでは
 「高取峠トンネルについては、県から当面の交通安全対策案が提示された。県は従来『高取峠は災害対策済みの道路だからこれ以上触りません』というスタンスだった。その点では配慮してくれたのかなと」

―現道改良案を進めるのか、それとも、あくまでもトンネル化にこだわるのか
 「現実問題として長年凍結された問題について前へ進めていく上では(交通安全対策案は)市民にとってプラスと思っている。まずは現道の交通安全対策を行い、その上でトンネル化を求めていく」

―赤穂市にとっては理想だが、現道改良した場合、トンネルは作らないということにならないか
 「そうはならないという前提で話し合いをしていく。トンネルも交通事故が起こるとストップしてしまう。だから2ルート必要だ。県にもこの考えは伝えている」

―新型コロナウイルス感染症が市政運営に与えた影響は
 「最も典型的な例は、義士祭、ル・ポン国際音楽祭といったメイン行事が実行できなかったこと。また、観光振興、交流人口の増加ができなかった。一方で国の地方創生臨時交付金でWelcome to AKOキャンペーン、プレミアム商品券事業、水道料金の減免などで一定の役目は果たせたのではないか。今後はウィズ・コロナ、ポスト・コロナに向けた取り組みが課題。税収減が見込まれる中、今まで以上に限られた財源の中で財政運営をしていかなければならない。学校の自動水栓化や公共施設トイレ洋式化など、感染予防対策として進めた事業が市民の利便性向上につながる面もある」

―人同士の接触をなるべく減らすために、テレビ会議システムの導入など市役所業務のオンライン化を進める考えはないか
 「市役所のパソコンにはテレビ会議に必要なカメラがついていない。また、インターネット環境を整える必要もあり、現時点では難しい」

―任期3年目に最優先で取り組みたい施策は
 「一つはDMOを中心とした観光振興。そして給食センターの整備。赤穂市全体の産業基盤の調査検討に取り組みたい」

―コロナ対策で再び国の臨時交付金が出た場合、どのように活用するのか
 「交付金があるのかどうか分からないが、もしあれば、コロナ禍でも安全に観光できる環境づくりを支援したい。コロナによるダメージが大きかった業種への支援をしていきたい」

―市長を2年間務め、役職に対する印象や意識は就任前と比べて変化したか
 「どなたがなっても思うのだろうが、孤独なもの。公務員だったころと比べると、今も特別公務員ではあるが、政治家として既存の法律や条例にとらわれない発想や行動をすべき場合もあるということは常に考えている」

―当選前に市内全域で市民との対話を進めた。市長になってからは、どのように市民の声を収集しているか
 「各種団体の会合などに出向いて対話し、政策に反映する取り組みをやっている。面会の希望があれば、スケジュールの都合がつく限り受けている。コロナ禍ではあるが時間や人数など感染防止に配慮しながら出来るだけ対応していきたい」

―2020年4月から月1回の定例記者会見を実施している。その目的や趣旨は
 「一昨年の市職員による不祥事から信頼回復するために、市政の動きを市民のみなさんにより知っていただくことが必要ではないかと考えて始めた」

―「部下に厳しい」との噂を聞くが、自身の認識は
 「報告、連絡、相談を徹底するようによく言っており、そこは厳しく言っている。市民から相談や苦情を受けた場合もきちんと対応する必要がある。職員からは『細かいことを言う』と思われているかも知れないが、市民への行政としての責任を果たすためには、そこはしっかりやっていきたい」

―市役所まで主に電車通勤と聞いた。その理由は
 「緊急事態宣言中は接触を減らすために車で通勤した時期はあったが、あとは電車通勤。交通事故のリスクが減り、健康にも良い。元々電車通勤が長く、その習慣もある」

―多忙な市長職の中、どのようにリフレッシュしているか。丸1日休めた日は何日あるか
 「以前はジョギングをしていたが、今はなかなか時間が取れない。週末に市民総合体育館のジムで1時間近く運動している。コロナ以前は完全オフはほぼなかった。今は公務がない日もあるが、公務以外で行事や会合などに参加することもあるので、丸一日家にいることはほとんどない」

―市民に伝えたいことは
 「コロナの感染防止対策には大変ご協力をいただき、感謝申し上げたい。一日も早く収束して従来の生活を取り戻せることができればいいがまだまだ見通せないのが現状。ご心配ごと、お困りのことがあれば遠慮せずに市役所に相談してほしい」
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掲載紙面(PDF):
2021年2月6日号(2403号) 3面 (10,926,494byte)
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コメント

 変換ミス及び確認不足でした。ご指摘ありがとうございました。

そう思う 0

投稿:赤穂民報 2021年02月06日
既存の法律や条令にとらわれない

既存の法律や条例にとらわれない

そう思う 0

投稿:誤字です 2021年02月06日
大阪知事のように、定例記者会見してるなら、ぜひ記事にしてほしいですね。できればこないだの記者会見のように動画であげていただけませんか。とても分かりやすかったです。

そう思う 2

投稿:動画はどう? 2021年02月05日
いまいち面白みがないというか具体性がないというか

そう思う 13

投稿:うーん 2021年02月05日
期待して投票した身としては、コロナ禍を理由に、
公約を反古にしないよう成果を出していただきたいと
思います。

そう思う 7

投稿:納得 2021年02月05日
 会見で発表された事業や市政の取り組みなどについて、ニュース性があると判断したものをピックアップして記事にしています。先日、職員逮捕を受けて行われた緊急会見のように場合によっては、会見全体を記事にすることも検討したいと思います。

そう思う 2

投稿:赤穂民報 2021年02月05日
牟礼さんに投票した3児をもつ親ですが、任期の折り返しということですが、期待していた分正直何とも言えない感情の方が強いですね。
コロナのこともあったと思いますが、いまひとつ赤穂市が良くなっていってるという実感がありません。トンネルのことにしても市民病院のことにしても同じで、前に進んでいっているという実感が一市民にはまったくありません。
牟礼さんだけの責任ではありませんが、最近の赤穂市は不祥事や悪い話しか聞かないので、残りの任期で一つでもいいから、目に見える結果で示してほしいと思っております。
牟礼さんに対する批評とかではなく、よりよい赤穂市の未来のために牟礼市長を筆頭に頑張ってほしいと思います。

そう思う 20

投稿:3児の親 2021年02月05日
2020年4月から月1回の定例記者会見を実施している。

→これを毎回、民報さんの記事にしてもらうことは可能でしょうか?

そう思う 5

投稿:インタビュアー 2021年02月05日

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