忠臣蔵のふるさと・播州赤穂の地域紙「赤穂民報」のニュースサイト
文字の大きさ

赤穂民報

  1. トップページ
  2. 赤穂の昔話
  3. 記事詳細

赤穂の昔話・第8話「おさんさん」(下)

 2019年11月30日 
 
 家に帰ったおさんの亭主は、いつものように帰りを待っていたおさんに向かって「おかあはもう寝たか。ちょっと、お前に話があるんやが……。黙って最後まで聞いてくれえよ」といい、自分が人柱に決まったいきさつを詳しく話しました。
 「誰かが犠牲にならなあかんのや。村のためや、我慢してくれ。お前には苦労ばっかりかけたなあ。……わしの最後の頼みや……。おかあのこと、あんじょう頼んだで」
 おさんは黙ってうなずきました。おさんの返事に安心したのか、亭主はニコッと笑い、寝間に入っていきました。
 亭主が寝たのを見届けると、おさんは着替えてそっと家を出ました。そして、組頭の家に行きました。
 「えろう遅うに来ましてすんまへん。話は主人から聞きました。決まったことに反対はしまへん。そやけど、一つだけ、お願いがおます」 「わてを人柱にしとくんなはれ。主人には年老いた母親がいます。おかあはんがかわいそうだす。わては身寄りもおまへんし……。それに、褌につぎをあてたのはわてだっさかいに」
 おさんは必死に頼みました。おさんの話が終わると、組頭は重い口調で、
 「お前の気持ちはようわかった。こないなことになって、すまんこっちゃなあ。亭主には、わしから言うとく。後のことは心配せんでもええど」
 と言い、おさんの気持ちを聞き入れました。
 おさんが人柱になったためか、水門の工事はまもなく完成しました。この新しく開拓された村が、塩屋の新田だということです。おさんは今も日吉神社にまつられています。
(赤穂市教育委員会刊『赤穂の昔話 第一集』・「おさんさん」より)=切り絵・村杉創夢
<前の記事


掲載紙面(PDF):
2019年11月30日号(2349号) 4面 (12,536,879byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)

コメントを書く

お名前 (必須。ペンネーム可):

メールアドレス (任意入力 表示されません):

内容 (必須入力):

※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
今週のイベント・催し
23
(月)
 
24
(火)
25
(水)
26
(木)
27
(金)
 
28
(土)
 
29
(日)

最新のコメント

  • 議員定数検討「今年度中に結論」←市民(12/07)
  • 内匠頭切腹の地ゆかり「田村銀杏稲荷」再建←堤 貴恵(12/07)
  • 「産廃処分場は『環境犯罪』SNSで発信を」←よく考えて(12/06)

各種お申込み

以下より各お申込み、資料請求フォームにリンクしています。ご活用下さい。

メール会員登録

赤穂民報のニュース(一部)をリアルタイムでお届けします。

e-mail(半角入力)

携帯でドメイン指定受信をされている方は「@QRmail.jp」を指定してください。

スマホサイトQRコード

スマホ用URLをメールでお知らせ!
e-mail(半角入力)


ドメイン指定受信をされている方は「@ako-minpo.jp」を指定してください。

閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 広告募集中
閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 広告募集中