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関福大リレーコラム・主体的、対話的で深い学び

 2019年01月12日 
 「主体的、対話的で深い学び」とは、これからの学校教育の目標です。
 主体的とは、人ごとではなく、自分ごとということ。対話的とは、友達と対話をしたり、本との対話、さらに自分自身との対話によって、ということ。深い学びとは、実感や納得、本音を伴っての腑に落ちる学びということです。これは学校教育だけでなく、私たちの人生のなかでの学びにもおおいに参考にすべきものです。
 主体的な学びになるように、先生たちはおもしろそうだ、やってみたくなるような場を設定して学習を始めます。その一方で、おもしろくなくても、やりたくなくても、大切だから、やらねばならないから逃げないで取り組んでみる、というコーピングの態度を育てることも大切です。すぐにあきらめて逃げ出さず、粘り強く取り組んでいるうちに、だんだんおもしろくなり、手応えを感じるようになってくることが、人生の中でも少なくないからです。
 教える側からみれば、おもしろそうだから始まった学習を、ますますおもしろくなってきたと学ぶ手応えを感じるものにしなければなりません。そのためには分かることやできることを増やし、考える力や表現する力、粘り強く取り組む力、対話しながらともに高まる力などを育てることです。交流、対話のなかで育てる論理的、批判的な思考力は大切ですが、それは相手を打ち負かすディベイトではなく、三人寄れば文殊の知恵でなければなりません。さらに一人ひとりの伸びや向上の成果を取り上げ、褒めること、励ますことも忘れてはなりません。学校は賢くなり、自信(自尊感情)をつけるところでならないからです。
 深い学びについては、自分ごと、自分にとって意味だけにとどまらず、成長に伴って社会や人間にとって、文化や歴史にとってとその意味を広げ、深めていくことが期待されているのであり、学びを人生や社会に生かすための学びの力が強調されるのは、それが持続可能な社会づくりの担い手育成でもあるからである。
 ただ、この「自分ごと」については、不要なことまで自分ごとにしないことが、自分らしく生きていくための重要なツールになります。ネガティブな感情を引き起こす、嫉妬や排除、腹立ち等々を自分ごとにせず「人ごと」として置いておくこと、そこに心を置かず、執着しないこと、危うきには近づかないことです。「そんな些細なことで怒りはしないよ」「さわやか、さわやかに」と言い聞かせたり、自分を見失いそうになったら幽体離脱してその場から心を逃がすとか、これができるようになれば人生の達人です。道のりは遠いですが、会得するに値する能力です。
(学長・加藤明)
 * * *
 今回は予定を変更して加藤明学長の特別コラムでした。次回は教育学部児童教育学科の服部紗代子助教です。お楽しみに!
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掲載紙面(PDF):
2019年1月12日号(2309号) 3面 (10,712,492byte)
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