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《福浦産廃》遮水シート「耐用70年」撤回

 2018年05月20日 
会場からの質問をメモする兵庫奥栄建設の幹部社員
 福浦地区の自社採石場跡地に管理型産廃最終処分場の建設を計画している兵庫奥栄建設(本社・神戸市灘区)が20日、一般市民向けの事業説明会を開催。処分場に敷設する遮水シートの耐用年数について「70年以上」とした過去の発言を撤回した。
 遮水シートの耐用年数をめぐっては、平成25年10月に同社が県条例に基づく義務で開いた住民向け説明会で、「導入を検討しているメーカーの試験データとしては70年以上の耐久性はある」と担当役員が説明した。
 ところが、今回の説明会で参加者から説明の根拠を問われると、同じ担当役員が「今のところデータは出せない。メーカーは決まっていない。『70年』というのは引っ込める」と発言。質問者から「撤回か」と問い詰められ、「撤回というのであれば、撤回でけっこう」と開き直った。その上で、改めて耐用年数を問われると、「裁判例では『50年』となっている。特殊事情があれば当然50年持たない」と答えた。
 国内の遮水シートメーカーなどでつくる「日本遮水工協会」が策定した「遮水シート(自主)規格解説」では、遮水シートの耐久性について保証期間を「10年」、自主規格値を「15年」と設定している。この点について見解を求める質問に対しては、「メーカーに確認した上で回答したい」と答えるのがやっと。「分子レベルの毒性化学物質はゴムシートでは止められない」との意見には、「遮水シートの基準は国が決めている。答える立場にない」と具体的な説明を避けた。
 同社は昨年12月下旬、事業計画に対する意見書を提出した関係住民への回答書を送付。今回の説明会は「意見書で特に多かったテーマについて見解を説明」するために同社が任意で開催したもので、会場となった中広の赤穂市文化会館小ホールには約35人が来場した。
 幹部社員3人と同社から地質調査を請け負ったコンサルタント会社の社員が説明に登壇。処分場の建設予定地について、「西日本で最強の岩質」「岩の弾性を加味して設計するため不等沈下は起きない」などと安全性を強調して計画への理解を得ようとしたものの、壇上の幹部社員が誰も事業計画書を持たずに説明に臨んでいることを参加者から指摘され、「申し訳ない」と陳謝。また、地質調査データや説明会議事録といった資料の提供を要求した参加者に「県に出している。県から報告書をもらってほしい」と一旦は回答しながら、「公式には報告書は受理されていない。県はそんなものはないと言う」などと矛盾した発言を繰り返した。
 説明会終了後、取材に応じた岩男友昭・取締役土木部長は「時間はかかるかもしれないが、理解を得られるように今後も説明会を開催したい」と話した。
 最後まで説明を聞いた男性は「次第も資料もなく、説明も二転三転。あれで『理解して』というのは無理がある」と話し、別の男性は「きょうの説明で、さらに不安が高まった」と会場を後にした。
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掲載紙面(PDF):
2018年5月26日(2279号) 1面 (9,470,034byte)
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[ 西部地区 ]  [ 社会 ]


コメント

70年間耐用のシート(塩ビ、加硫ゴム、ゴムアス、ポリオレフィンなど)がもし存在したとするならば、学校やビルなどの屋上に施工している防水も同じように70年間改修する必要はありませんよね。でも実際は、紫外線や太陽熱、高湿度などにより劣化が進行し、30年も使えれば出来すぎです。7〜8年で表面の劣化を防ぐメンテナンスをすれば50年くらいはもつかもしれませんが、そんなメンテナンスをすることは現実的ではないでしょう。
材料の耐久性もともかく、シート接合部の熱融着処理や、シート出入隅の増し貼り処理など、施工能力の低さによって、シートの接合部から破断していくのが防水層全体としての普通の劣化です。
使用環境(水だけではなく、酸性、アルカリ性のもの、有機溶剤、油類など)によっても劣化が進行したり、加水分解的に溶けてなくなるものもあります。
メーカーの10年保証というものは、施工する業者にも同様に求められるものですが、施工した側からすると10年は長いと思いますが、70年保証しろと言われると、誰も施工する業者なんかいませんよ。だって、絶対70年ももたないから。

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投稿:赤穂市内の防水屋さん 2018年05月25日

産廃処分場が早期着工するよう願ってます。

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投稿:市民の会に反対や! 2018年05月21日

だめだこりゃ

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投稿:いかりや長介 2018年05月21日

もっと、自信タップリに用意万端で乗り込んでくるのかと思いきや、事業計画書を持たずに出席とは開いた口が塞がりません。自信のなさか、頭を抱えて質問者にろくに目も合わして答えられないような有様が伝わってくる写真です。驚きました・・・赤穂市民もナメラレタもんです。
彼らは、安全性を訴えてなんとか造り儲け逃げをしたいようですが、それならば、何処かには必要な施設として赤穂が100パー譲って建設をやむなしにした場合、事故が起きた時の責任者の所在と損害の補償についても一番に表明するべきと思いますが、お答えになったのでしょうか?地元が起きてしまうと取り返しのきかない危険なリスクを背負って認めるのですから、業者も会社存続をかけての補償リスクを負うのが対等。そこまで表明して初めて安全性の説明信憑性が向上するのではないですか?如何でしょう。
安価な商品でも、取引には気に入らない場合や不良品にはクーリングオフが当たり前の時代です。申し訳ありませんが、これでは誰が聞いても一向に聞く気も信用もいたしません。

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投稿:なんじゃこりゃ! 2018年05月21日

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