赤穂民報

【社説】1点ずつ積み上げてコロナに打ち勝とう(4月11日)

 横浜にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」が着岸したのは節分の日だった。振り返ってみると、あのころ、兵庫に緊急事態宣言が出るようなことになるとは筆者は想像していなかった。

 新型コロナウイルスについては、少しずつ病態がわかってきた。感染しても症状が出ない場合がある。症状がなくとも、他の人に感染させる場合がある。高齢者だけでなく、若者も感染し、発症する場合がある。東南アジアなど高温多湿の国でもまん延が拡大していることから、夏場も感染が収まらない可能性がある。

 米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計では、8日までに全世界の感染者は142万人を上回り、死者は8万人を超えた。致死率は国・地域によって異なっていて、例えばイタリア12・6%、ドイツ1・87%と同じ欧州でも開きがある。日本は8日までに厚生労働省まとめで感染者4768人、国内死者85人(クルーズ船11人含まず)で、致死率は1・78%。一方、およそ15%にあたる人は回復して退院している。

 赤穂市内では今のところ感染者は確認されていない。しかし、先に書いたように、「感染しても症状が出ない場合がある。症状がなくとも、他の人に感染させる場合がある」ということを頭に置いて行動する必要がある。

 渡航医学が専門で感染症に詳しい関西福祉大学の勝田吉彰教授は、新型コロナウイルスから身を守る心掛けとして、「か・み・か・み」という合い言葉を提唱している。はじめの3文字は、▽換気が悪い場所▽密集している場所▽会話(至近距離)の避けるべき3要素の頭文字。最後の「み」は「みんなで感染ストップだ!」と呼び掛けの頭文字を入れた。

 勝田教授はまた、「手洗い、咳エチケット、消毒」という感染予防の基本を「継続」することの重要性も説いている。

 「手洗いが1点、マスクが1点、ドアノブを拭いて1点、また手を洗って1点…と、毎日積み上げれば60点、70点、80点になる。100点じゃなくてもいいんです。要は『合格点』を取ればいい。この病気が収束するまで合格点を取っていく。大切なのは『継続』することなんです」

 おそらく、当面の間は「自粛」「休止」「制限」などマイナスイメージの言葉を目や耳にすることが増えていくだろう。「どこまで我慢や辛抱すればいいのか」と不安や不自由さを感じるが、1点ずつ積み上げて『合格』を目指すプラス思考でこの難局を乗り切ろう。

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