赤穂民報

【社説】「原点」忘れず市政に努力を(1月26日)

 新人が現職を破って当選したのは赤穂市長選では初めて(昭和28年市長選で新人の小幡栄亮氏に敗れた鳥羽嘉寿夫氏はリコール辞職後に出馬したため元職)。保守的で、急激な変化を好まない気質がある赤穂市において、今回の結果は「異例」とも言える。
 「明石さんも頑張っとんやろけど、もひとつぱっとせん。このままやったら、じり貧ちゃう? ほんまに当てにしてええんかどうかわからんけど、牟礼さんの方が何か手を打ってくれそうやろ」
 投票日の20日朝、投票を終えた60代男性は小雨の降る中、記者にこのように話した。
 本紙が出口調査を兼ねて実施した投票者アンケートでは、現市政を肯定的に評価した割合は57%。4年前の豆田市政のときは71%だったから、14ポイント下落している。しかも、肯定的に評価する層からも3割を超える有権者が牟礼氏に流れた。先ほどの男性のように、「もひとつぱっとせん」という現市政への閉塞感と「じり貧」への危機感、そして「何か手を打ってくれそう」という期待感が牟礼氏を勝利に押し上げたように思う。
 つまり、牟礼氏に全幅の信頼を置いて投票した有権者ばかりではない。今後は「ほんまに当てにしてええんかどうか」を市民から注視される中、選挙戦でアピールした「実行力と判断力」の真価が問われる。また、施策や事業が公共の福祉向上に照らして正当か、費用対効果に問題はないか、大衆迎合に陥っていないか、議会のチェックも受けることになる。
 牟礼氏は、「4年前に負けたことで、市民の皆様の声を市政に反映させるという原点に立ち返ることができた」と語った。その「原点」を忘れずに「粉骨砕身」の努力をし、一つ一つ公約を実現していくことでしか市民の信頼を得ることはできない。

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